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いつからあるの?結婚指輪の歴史

2019.05.26

結婚指輪の起源

 正式な結婚指輪の「歴史」についてはっきりと記述されているものはありませんが、さまざまな神話や歴史的な事実などで結婚指輪の由来となる話がいくつかあります。その中で最も古い話はギリシア神話に、プロメテウスがゼウスを騙して怒りを買った罰として鉄の指輪をはめさせられるという話が出てきます。ここでは、ゼウスに対するプロメテウスの「絶対的な忠誠の誓い」を意味しています。ギリシア神話の創世期は紀元前15世紀頃、体系的にまとめられたのは紀元前8世紀なので、その頃には指輪の存在があったのではないかと考えられます。

指輪を贈る風習

 また、結婚の証として指輪を贈る習慣が生まれたのは、古代ローマ時代からであるとも言われています。はるか昔の結婚はお金で妻を買う「売買婚」という形が一般的な方法でした。こちらも諸説ありますが、お金を払ったという証拠として花嫁の父親に指輪を渡した、という説。物々交換のように花嫁と指輪を交換した、という説などがあります。どちらも結婚した女性ではなく花嫁の父親が指輪を受け取っていますね。その習慣が発展して、結婚する際は指輪を贈るというという意識が定着しつつあったのかもしれません。

男性の強さの証

また、古代ローマでは女性よりも男性の方が立場が上だったため、女性は男性への忠誠を誓う証として指輪をはめていたという話も存在しています。自由恋愛の末の結婚というよりも、身分や金銭が絡んだ結婚ということで「契約」という意味合いを持っていたのも、結婚には強い意味が含まれて現代に残っていくきっかけになっていったのではないでしょうか。

海との結婚

 また、神話だけではなく世界史で出てくる「結婚の儀式」はいくつもありますが、代表的なのはヴェネチアの「海との結婚」だと思います。ヴェネチアは水上都市であるがゆえに、海との関係は切っても切れない縁で結ばれていました。一度海が荒れると大きな災害をもたらすため「海を渡る誰ものために、海が穏やかでありますように」という願いを込めて、ローマ法王のアレキサンダー3世が自分のはめていた指輪を海に投げ込んだのが「海との結婚」と呼ばれるイベントの始まりの起源でした。やがて、この儀式は結婚という意味合いを持ち始め、ヴェネチアを男性、アドリア海を女性にみたて「我々は汝、海と結婚する」というフレーズと共に海へ指輪を投げ込み海とヴェネチアが一心同体の関係にあることを宣言する儀式に変化していきました。このような様々な神話や歴史的事実が残されて、人々は結婚指輪という概念を持ち始めたと考えられます。

正式な命令

 9世紀にはローマ教皇のニコラス1世が「婚約発表には指輪が必要である」という旨の命令を出しました。こうしてエンゲージリングを婚約者に贈る習慣が本格的にスタートします。結婚指輪はその後11世紀~13世紀、キリスト教の広まりとともに協会での儀式で使われるようになり、初めは花婿には鉄の指輪、花嫁には金の指輪を交換していました。それまでは、力の象徴である「鉄のバンド」を婚約する際に贈っていたりしました。鉄の、、と聞くとどこかプロメテウスの「忠誠の誓い」を彷彿とさせますね。

指輪に使用する金属の変化

さらには2世紀に入ると貴族階級を中心に貴金属のゴールドが普及しだしますが、鉄のリングも多く用いられていました。こうしてこのような習慣が現在の指輪の交換の儀式へ繋がっているのだと考えられます。日本に定着し始めたのは、鎖国が終わる江戸時代の後期。さらに結婚指輪という文化が伝わってきたのは、明治維新以降といわれています。

現在の日本では

現在の日本では結婚というと結婚指輪の購入を視野に入れるカップルは少なくはないのではないでしょうか。指輪という形にすることで、自分が結婚しているという見てすぐにわかる明確な証拠にもなり、大好きな相手と誓い合った指輪は見ていて心踊るものがあるはずです。一緒に選んだりする経緯も大切な思い出の一部となり、指輪に刻まれていくことでしょう。

薬指につける理由1

 そんな素敵な結婚指輪は左手の薬指につけるのが一般的ですが、なぜ左手の薬指なのかこちらも諸説あります。古代ギリシャでは「左手の薬指と心臓は1本の血管で繋がっている」とされていて、危険なものに触れると心臓に信号を送ると考えられていました。ちなみに、古代の医者は左手の薬指で薬を混ぜ、毒などが混入していないかを調べたそうです。

薬指につける理由2

さまざまな文化においても、薬指には傷や病気を治す特別な力があるとされてきました。他にも、古代エジプトでは左手の薬指は「命に一番近い指」「愛の血管が心臓に直接繋がっていいる」とされていたこどなどが、ルーツとされています。ざっと紹介しただけでも薬指は世界的に重要な意味を持つ指なのだと分かります。「愛の血管」がある左手の薬指に「永遠」を誓ったリングをはめると思うと、うっとりするくらいロマンチックな気分になりますね。

最後に

 結婚指輪や婚約指輪の歴史を見ていくと、人体構造的、史実的、科学的、神話という角度からも、左手の薬指に指輪をつけることは人間に定められた運命だったのではないかと思うほど完璧な理屈です。また、忠誠の誓いからはじまり、永遠の愛への誓いへ落ち着いた今、結婚指輪や婚約指輪にはとても深い意味が込められたものなのだと思うと、少しドキっとさせられますね。

 

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